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人の目を気にし過ぎず、本音を大事にしながら生きる工夫

人の目を気にすることの良し悪し

  人からどう見られるかを気にする心理は誰にでもあります。ほどよく気にするのであれば、それは自分をよりよりものに作り変えていく上で役に立つかも知れません。しかし、人の目を過剰に気にしてしまうと、自分の気持ちや考えという物差しよりも、人の気持ちや考えという物差しが優先されるようになり、自分の本当の気持や考えは心の中で押し殺されてしまう(抑圧)ようになり、心が余計なエネルギーを使うことになり、とても苦しい状態になります。

気にし過ぎが過剰になると

  人からどう思われるかというようなことばかり、しょっちゅう考えていると、考えがことごとく自分を責める悲観的な方向に傾くことが多くなり、否定的な考えの悪循環に陥っていることが少なくありません。

  また、周りにいるすべての人から良く思われたいと願う方もいます。願いとしてはわからなくはないのですが、私たちの実際の人間関係をみてみると、本当に気の合う人は比較的少数で、どうにも気の合わない人や考え方の違う人がいることは、否定しようもありません。

  あるいは、人より常に上にいたいと願う方もいます。自分が本当にやりたいことがあって、その世界で人よりも優れていたいと頑張るのであれば、それは充実した人生になることでしょう。しかし、自分の本当にやりたいことがはっきりしない、あるいは全く見いだせないまま、人より上にいたいという点だけを願うならば、それはとても苦しい生き方をすることになります。

背景にある、同性との間の競争心や不安

  そのような悩みの背景には、男性も女性も、同性同士の関係の中で、自分の方がより優れていたいと願ったり、同性からどのような評価や対応を受けるか心配したりする心理が隠れていることが少なくありません。そのような同性に対する葛藤や不安は、私たち人間が生きていく上で、大きなテーマのようなものです。自分の考えや行動の仕方、生き方等を肯定的にとらえることができ、他の同性からの脅威に不安を感じることが少なくなれば、落ち着いた気持ちで日々の生活や人生を送ることができるようになります。

本音を大事にしながら生きるためには、どうしたらよいか

  それでは具体的にはどのようにしたら、気にし過ぎるところを減らすことができ、神経質な心配から開放されることができるのでしょうか。

  一つは、悲観的な見方にはまっていることに気づいたら、肯定的な考えに切り替えるのもよいかも知れません。『うまくいく可能性もあるんじゃないか』『ずっと続くわけじゃない』『必ず出口は来るさ』と考える訳です。

  二つ目としては、人に悩みを聞いてもらったり愚痴を言ったりするのも、悪くないかも知れません。人に話を聞いてもらうだけでも気持ちは随分楽になり、悩みが整理されることがあります。あるいは自分の悩んでいることについて、人に聞いてもらって意見を聞いてみると、自分では考えもしなかったような意外なとらえ方・考え方を発見することは結構よく起きるものです。

三つ目としては、何か人と気になるやりとりがあったとするなら、その当事者である相手に、どう思ったか確認してみるのも、一つの方法です。

四つ目としては、いい加減な言葉を使って、少しいい加減に生きていきましょう。『何とかなるさ』『まあ、いっか』『明日は明日の風が吹く』といった言葉を思い浮かべることも一つの方法です。

五つ目としては、気分転換は悪くない方法です。大変なこと、辛いこと、傷ついたこと、そういうことをしばし忘れる、何かに打ち込んで楽しむ、それを通して喜びを味わうということができたなら、自分の本当の心を取り戻し、周りの意向を気にし過ぎることなくマイペースで生きていく上で、プラスに作用するように思います。

最後に六つ目として、しかし一番重要なことは、自分の本当の気持ち考えを大事にする、自分の心をもう一度取り戻すということでしょう。自分の気持ちや考えという、自分なりの物差しを第一にして、表現したり主張したりするようにしていきます。人にどう思われるかよりも、自分が今日できることをやる、納得できる1日を送るようにしていきます。

もしうまく整理がつかない悩みがあるようでしたら、初台クリニックで御相談下さい。

(中 康)