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不眠について

 不眠は、日中の様々なストレスや精神的な疲労が蓄積された結果、夜になって眠れないという形をとり、そのため日中の調子も悪くなる状態を言います。日中疲れたことでよく眠れるということもありますが、日中の疲労が強い場合にはかえって不眠になることもあります。

 不眠には、「入眠困難」「中途覚醒」「早朝覚醒」などがあります。「入眠困難」の場合には、なかなか眠りにはいることができません。「中途覚醒」の場合は、寝つきは悪くなくても、夜中から明け方にかけて何度も目が醒め、眠りが浅く夢を見ることが多く、眠った実感が得られないことがあります。「早朝覚醒」の場合には、朝早く目が醒めてしまい、十分に眠れた感覚は得られません。

 不眠には、なかなか寝つくことができなくなる「入眠困難」と、寝つきは悪くなくても途中で目が醒めてしまう「夜間覚醒」「早朝覚醒」などがあります。後者の場合は、夜中から明け方にかけて目が覚めてしまいますが、何度も目がさめたり、また眠っても眠りが浅く夢を見ること多かったりして、眠ったという実感が得られないこともあります。

 一時的に眠れなくなっても、自然経過の中で、あるいは生活の仕方を少し変えることによって、また眠れるようになれば一番よいのですが、不眠が長く続く場合には、睡眠導入剤を飲んだ方がよいことがあります。

 睡眠導入剤には、短時間作用型・中間型・長時間作用型と、作用時間の長さによって種類が分かれます。薬を内服する場合に、この薬は強い薬なのかどうかということが気になるかも知れませんが、睡眠導入剤の場合には、作用時間が重要な点となります。また、薬の量はなるべく少量がよいですし、眠れるようになってくれば、延々と睡眠導入剤を飲み続けるよりは、どこかで減薬の工夫をしていきたいものです。その人の不眠に合った薬を選択することが大事で、薬が合わない場合には、日中になっても眠気が残る・ふらつく・転倒する等の副作用が出ることがあります。

一方、眠れなくなる原因としてストレスがあるのであれば、そのストレスを減らしたり、あるいはそのストレスをなくすことは難しいにしても、ストレス発散法を生活の中で工夫をしたりすることができるとよいと考えます。そのような工夫ができるなら、薬を徐々に減らしていくことにつながっていきますし、不眠の軽減にも役立ちます。(コラム「ストレスとの付き合い方」を参考にしてください。)

一方、上記のような一般的なストレス対策とは別な方法を考える必要がある場合もあります。

例えば、うつ病・うつ状態の場合には、様々なうつ症状の一環として不眠もみられるようになります。うつ病・うつ状態の場合は、夜間覚醒や早朝覚醒が多いので睡眠導入剤を飲んだ方がよいことが多いのですが、それと合わせて、蓄積疲労を軽減して気力・体力を回復する目的で抗うつ薬も合わせて内服する必要が出てきます。抗うつ薬をうまく使うことによって、睡眠もよりとりやすくなっていきます。

また、高齢の方の場合には、体の手術を受けた後・発熱した時・風邪をひいた時など体(脳)に負荷が加わっている時に、夜間に幻視が出現して動き回るのですが、翌朝にはあまり覚えていないというようなタイプの不眠が出現することがあります。この場合には、全身状態を回復させるための治療を受けつつ、抗精神病薬(安定剤の一種)を少量内服することで、よく眠れる状態にもっていくことが十分可能です。

一方、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症のような場合にも、それぞれ気分安定薬や抗精神病薬など、ベースにある病気を安定させていく薬を併用していくことが、不眠の解決のためには欠かせません。

 不眠の際に、悩み事が深く関係し、それについてなかなか良い解決の方法を見つけることができない場合、過去のできごとの影響もあって起きている場合などには、薬物療法中心ではなく、悩んでいることの相談をしていくことが不眠の軽減につながることもあります。  以上のように、不眠には様々な要因が関係し、様々な対応方法があります。もし不眠に悩まれている方がいらっしゃいましたら、当クリニックに御相談いただければと思います。

(中 康)


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