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思春期の子どもをもつ両親の考えが食い違う時にいかに手を結んでいくか

思春期の子どもへの対応をめぐって起きやすい両親の考えの食い違い

  子どもがどのような年齢にあっても、両親の子どもについての考え方や対応の仕方には食い違いがつきものです。しかし子どもが思春期にさしかかると、親への反発や反抗が増してくることもあり、両親の考え方や対応の仕方の食い違いがきわだった形で表れてくることが少なくありません。

実はどのような夫婦でも夫婦喧嘩は避けられない

  心理学の教えるところによれば、どのような夫婦でも結婚直後の時期から、必ず夫婦喧嘩をすると言われています。そして夫婦喧嘩のきっかけは夫婦ごとに異なりますが、子育てについての考え方や対応のしかたの食い違いもかなり大きな部分を占めていることは、どの御夫婦にも共通しているように思います。

夫婦喧嘩に火がつく時

  子育てのことで夫婦喧嘩が始まると、うまくいかないことはすべて配偶者の落ち度のように感じられ、夫婦で互いに相手を責め合うことがしばしば起きてきます。そして口論が激しくなると、今現在のきっかけとなったできごとから話が離れていき、過去にあった似たようなもめごとを持ち出して相手を攻撃するようになり、口論の火に油を注ぐようなことになり、互いに感情的になり、夫婦喧嘩はおさまりにくくなってしまいます。

両親の夫婦喧嘩が思春期の子どもに及ぼす影響

  そのように夫婦喧嘩が延々と繰り返されていると、思春期の子どもからみると、気持ちが不安定になったり不安が増したりすることにつながります。子どもの前で親が喧嘩をしてしまうと、子どもは、なんとか喧嘩を納めなければいけないと考えてエネルギーを使う、どちらの親の肩をもつべきなのかという葛藤にとらわれてしまう、夫婦喧嘩のつらさに耐えられずに自室にこもる等、様々な大きな影響が生じています。

そして、もし仮に思春期の子どもが片方の親の味方をするとなると、もう一方の親の言うことはきかないことを意味するため、不安や罪悪感にとらわれるという結果を招いてしまいます。また、片親のサポート役を延々と続けることで満足感を得てしまうと、親離れをして前に進んでいくことが難しくなってしまうということも起きてきます。

そのような状態では、親への気遣いでエネルギーを消耗してしまうために、自分の将来やそのための勉強に使えるエネルギーが目減りしてしまいます。したがって、自分らしい人生を生きることが困難になってしまう危険を抱えることにつながりかねません。

夫婦の考えや対応が違っても、少しずつでも手を結んでいく

  夫婦の子育てに関する考えや対応方法が食い違ってしまうのは悩ましいことではありますが、重要な点では両親の考えや方針を一致させていくことが必要となります。また、それに際して、両親の考え方や対応のしかたの違いがうまく作用するなら、子どもの理解や対応について、異なった視点から複眼的にみることができ、よりよい子育てにしていく可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。そのような意味で、子どもへの対応のしかたを相談できる位の関係は回復したいものです。

子どもの前では口論や喧嘩をしないようにする

  そこでまず必要なのは、子どもの前では極力夫婦喧嘩をしないようにすることです。夫婦間で相手に言いたいことがあれば、子どものいないところで二人きりの時にやりとりをするのが賢明です。

世代間境界を明確にしていく

  思春期の子どもは片親と密着関係に陥ることがしばしばあります。それは特に異性の親子関係(母親と息子、父親と娘)で起きやすい傾向にあります。特に親子でタッグを組んで、もう一方の親を攻撃するような過度に密着した関係、スキンシップをもつような関係等、は、満足感が大きすぎるため、それは思春期の子どもの心理的な発達の妨げになってしまう危険性があります。

  そのため、子どもと密着するのではなく、親子間の距離を置いて、親世代と子ども世代の境界を明確にし、対応については困難であっても両親の間で話し合って改善する方向を探っていくことが必要となります。

夫婦喧嘩を上手にしていく

  そこで夫婦喧嘩を上手にしていく工夫が必要になります。互いに相手へのマイナスな感情をぶつけ合っていても、いつまでも前進はみられません

  次に必要となるのは、配偶者を責めて配偶者の対応を変えようとすることから、抜け出していくことです。いくら夫婦であっても、配偶者の考えや行動を変えることは、相手が自らそれを望まない限り非常に困難なことです。実は夫婦であっても、相手を変えるよりも、自分を変えていく工夫をした方がはるかに早く解決の糸口がみつかるものです。

配偶者から投げつけられた耳の痛い言葉こそが重要

  その時に、配偶者から投げつけられた、聞きたくない、耳の痛い言葉が重要となります。

  どのような優れた親御さんであっても、その人なりの接し方の癖のようなものが子どもに対してつい出てしまうものです。そしてそのことは、当の本人からはそのようなものとしては気づきにくく、その問題点は、むしろ配偶者からの方がよく見えるものです。つまり、私たちは、自分の子どもへの接し方の癖については、自分の目からはブラインドになってしまうことが少なくないのです。

  そのために、配偶者を責めることをやめて立ち止まって、自分の接し方の問題について振り返って考えることが必要になってきます。

目の前の子どもの状況に合った、両親で一致できる対応策を一つずつ作っていく

  御夫婦であっても、子どもに対する理解のしかたや対応のしかたは、かなり違っていることが普通にみられます。正反対の考え方をもっている御夫婦も珍しくありません。そのような時に、親としての考え方全体を合わせていくのは、かなりハードルの高い作業になります。

それよりも、今の子どもの年齢や発達段階に見合った接し方について、一致点を一つ、二つと作っていく方が、実はハードルの高さは低く、より合意を作りやすくなります。具体的には、例えば学校に行けていない場合に登校を促すのか/あえて促さないのか、朝起きない子どもを朝起こすのか/起こさず自主性に任せる対応をするのか、等について合意ができるとよいと思います。

そのように御両親の対応が一致していると、子どもの気持ちの中にも安心感が生まれてきます。

御両親だけでも相談は可能

  仮に思春期の子どもが受診に同意しない場合でも、御両親がいかの思春期の子どもに 対応していくのがよいかについての相談は可能です。御両親の考えが食い違っている場合でも、私たちは思春期の子どもの心理的な発達段階や親子関係の状態に見合った接し方・対応の仕方を提案するようにしています。そのような相談にのっていますと、御両親の考え方それぞれに、妥当な点と修正をした方がいい点が含まれていることが実際には多いように思われます。

  思春期のお子様に関する考え方や対応のしかたでお困りな点があるようでしたら、是非御両親での面接を活用されることをお勧めします。